水の動き

普通の写真を撮る動作のような慌ただしさはない針穴写真。
この辺りで撮りたいな〜って思ったらウロウロ歩く。
撮りたいなぁって思ったものをぐるぐる回って
しゃがんだり、背伸びをしたり、向きを変えたりして
ジロジロ眺めて、空気を吸う。
ここ!と決めたら三脚を立てて、カメラをセットする。
針穴を開く前にカメラの横に立ち、
どんな色や光りや形、
切り取られるはずの構図、
そこに自分のどんな気持ちを込めたいか、考える。
深呼吸して、黒テープを剥がす。
露光時間の間、周りを見渡し、
光を浴び、空気の匂いを感じ、音に耳をすませる。

水の動き_c0016712_1604952.jpg


でも、そんな手順じゃ撮れない場所もある。
あっという間に暮れていく夕焼けだとか、
どうしてもこの光りの筋を掴まえたいとか、
動いてるものの中からだとか。

この写真はそんな一枚。
隅田川を水上バスに乗って浅草の吾妻橋から汐留の浜離宮へ。
とにかくあんまり深いことは考えずに、黒テープを剥がす。

でも、そうやってバタバタした感じに撮った時でも、
のんびり深呼吸しながら撮った時でも、
針穴を開いてる時間に「あ!」と思うことがある。
この一枚は、きっと転機になるような気がする。
そういう分岐というか、自分の何かが変わる瞬間を感じることがあるのだ。

この写真もそういう一枚でした。
これはポラロイドなので、現像が上がった時に
浮かび上がってきた画を見た瞬間、
自分の直感が正しかったと感じた。
人には分からなくても、自分の何かがこの一枚で変わったのを
手に取って見ることができた。
Commented by take at 2005-01-21 17:56 x
この写真好きです。
大きい写真で見てみたいなぁ。
Commented by hariana_no_kokoro at 2005-01-24 12:13
>takeさん

コメントありがとうございます。
これ、ポラロイドでスキャンした時に
解像度を落として保存してしまって、
今現物を見ると、既に色が
メチャクチャ変わってしまっています。
.....ショック。
ってわけで、大きい写真がないのです。
いつかHOLGAでリベンジを果たしたいと思っています。
by hariana_no_kokoro | 2005-01-21 16:18 | 晴れの針穴 | Trackback | Comments(2)

針穴写真(ピンホール写真)を綴ります


by しきはん
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