階段

3月に、三好心さんの写真展「ありがとう松山ビルさよなら三好心写真事務所〜そこに存在したモノ(前編)〜」を観てきました。
三好さんの作品は8 x 10のグループなどで観ていたのですが、個展初めて。
圧倒的に胸に迫ってくるものがあり、とてもいい作品を観させてもらいました。
このタイトルにもなっている松山ビル。
昔から、よくこの前は通っていて、存在は知っていたけど用事もないのに入れないなぁと思っていた。
このビル、残念ながら外観をベターっと茶色の塗料で塗ってしまってます。
塗らなきゃいいスクラッチタイルなのに。
でも、中はいい味でした。
こういう建物が大好きなのです。
そして、螺旋になっている階段も大好きです。
針穴させていただきました。



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ほるちゃん69ver./FujiChrome Velvia ISO50/16分ぐらい

階段のよく磨かれた手すりの滑らかさ、石のステップ、踊り場のタイル、縦長の窓。
うっとりするほどいい空間でした。

この展示で、三好さんの現像室も見られたのですが、素晴らしい空間でした。
機能的でコンパクトなのに広さを感じて、赤とグレーと黒に統一されてました。
うっとり。

では、もう一枚、階段を。

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ほるちゃん69ver./FujiChrome Velvia ISO50/16分ぐらい

昔の建物は、細部までデザインされていて、作る側にも、作らせる側にもゆとりを感じます。
こんなビルで働けたら幸せだろうなぁと感じます。
残念ながら、道路拡張のため解体されてしまいます。
またひとつ、古くて素敵な建物が消えていきます。



さて、展示のお知らせです。
在廊日を追加しました。

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ピンホール写真展 やわらかな光、ゆるやかな時間
エドワード・レビンソン大木靖子/遠藤志岐子

会期:4月9日(土)〜5月22日(日) *4月25日(月)・26日(日)休廊
時間:10:00〜18:00
会場:調布市文化会館たづくり1階 展示室

正面の吹き抜けのホールをエスカレーターに向かって右手に細い通路があります。
トイレなどがある通路です。
そこを抜けて右手に進むと展示室があります。
ちょっとわかりにくいのでご注意を。

私は40作品ほど出します。未展示のものが9割ぐらいになります。
「針鉄の旅」「蒼い影」「硝子越しに」「夕暮れにひとり」と
4枚の壁を4つのテーマにしました。

4月17日(日)には空き箱カメラを使った印画紙での撮影と現像のワークショップも行います。
午前が子供の部、午後が大人の部です。
午後の大人の部は、現在キャンセル待ちになっています。
午前の子供の部は、まだ少し空きがあります。

会期が長いので、在廊日をなかなか決められないのですが、
今のところ、4月9日(土)、10日(日)、23日(土)、29日(金祝)は在廊予定です。
これだけってことはないので、また決めたらブログに書いていきます。
会場内で見かけたら、遠慮なく声をかけてくださいね。

お待ちしています。





# by hariana_no_kokoro | 2016-04-06 21:24 | 松山ビル | Trackback | Comments(6)

蔵王に行ったんだった

そういえば、のシリーズです。
もう、2014年のことになりますなぁ。
水郡線で郡山に出て、そこから新幹線で山形へ。
左沢線に乗るために行ったんだけど、なんとなく、バスで蔵王に行ってみた。
そしたら、こんな季節なのに雪のモンスターがまた出現してるって。
てなわけで、ロープウェイに乗ったよ。


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ほるちゃん/Fuji Chrome Velvia ISO50/20秒くらい


ロープウェイの中で、カメラ担いだ人に「どこから?」「千葉です」
「蔵王は初めて?」「そうなんです」「そりゃラッキーだね」という会話を。
蔵王の雪のモンスターは2月にそれはそれはでかいのができあがるのだけど
基本、晴れることがほとんどない。
晴れるようになると、もうモンスターは消えてしまってるとのこと。
その人は、宮城から車で何度も何度も通ってて、
こんな青空の下でモンスターを見たのは、初めてだよって嬉しそうだった。
それでもピーク時の半分くらいの大きさらしいけど。
初めての私には、おぉ〜!でしたよ。

山頂に着くと、カメラマンだらけだったよ。
もちろん、スキー客はいたけど結構年配の方が多かったなぁ。


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ほるちゃん/Fuji Chrome Velvia ISO50/3秒くらい


一度消えたモンスターが再び出来上がるのはなかなかないそう。
それだけこの年は雪が多くて、降った日も多くて、期間も長かったのかな。


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ほるちゃん/Fuji Chrome Velvia ISO50/3秒くらい


この日、これに夢中になってしまって、御釜を見に行かなかったことを
今頃後悔してます。
見に行っておけばよかったな〜。
次に行けるのは、いつだかわかんないよねぇ。


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ほるちゃん/Fuji Chrome Velvia ISO50/3秒くらい

こうやって、久しぶりに蔵王の写真を見て、
晴れてない時のモンスターも見たいな〜と思ってます。


さて、お知らせです。

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企画展に参加します。

ピンホール写真展 やわらかな光、ゆるやかな時間
エドワード・レビンソン大木靖子/遠藤志岐子

会期:4月9日(土)〜5月22日(日) *4月25日(月)・26日(日)休廊
時間:10:00〜18:00
会場:調布市文化会館たづくり1階 展示室

私は40作品ほど出します。未展示のものが9割ぐらいになります。
4月17日(日)には空き箱カメラを使った印画紙での撮影と現像のワークショップも行います。
午前が子供の部、午後が大人の部です。

会期が長いので、在廊日をなかなか決められないのですが、
今のところ、4月9日(土)、10日(日)、23日(土)は在廊予定です。
これだけってことはないので、また決めたらブログに書いていきます。
会場内で見かけたら、遠慮なく声をかけてくださいね。

お待ちしています。











# by hariana_no_kokoro | 2016-03-16 20:36 | 旅針穴@蔵王 | Trackback | Comments(2)

門司港に行ったのだった

そういえば、っていうのが多いのですが、
門司港に行ったんですよ。
もう、2014年のことです。
門司港駅は大改修中なので、残念だったけど、
近代建築や煉瓦が大好きなので、街中で興奮しまくってましたよ。



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肝油ドロップ缶/FujiChrome Velvia ISO50/4分ぐらい


これは、旧税関の建物。
ギャラリーや観光案内や大正時代の着物姿にしてくれる店とかになってて
上からこの場所をみつけて1階で探し回った。
上まで吹き抜けているこの煉瓦の空間をなんとかして
針穴したくて、したくて、ぐるぐる回って、
しゃがんだり、他の階から覗き込んだりして、
結局は、1階で見上げることにした。
ここは、肝油ドロップ缶の湾曲を利用しようと考えた。

なので、これ、個人的に、超〜うっとりなんです。
えぇ、自画自賛です。
ぱっと見、何が何やらわかりにくいけど
自分としては、吹き抜け感と横も窓も光も空間も
欲張りに全部が針穴から流れ込んでくれた!と思ってます。

しかし、門司港のいいのは、
こういう歴史的な建物を、普通に使用してるところだと感じました。
喫茶店やレストランやお土産物屋さんなどになってる建物が多くて
今もちゃんと現役で働いている建物ってところがいいですね。

スクラッチタイルの建物の中で、ケーキが食べられたり、
洋館で河豚が食べられたり。

あぁ〜、門司港、また行きたいです。
# by hariana_no_kokoro | 2016-02-24 20:46 | 旅針穴@門司港 | Trackback | Comments(0)

今年最初の針穴写真

また少しご無沙汰してしまいました。
1月には、またロサンゼルスに行ってきました。
現像が上がってきているのでまたそのうちに。

今日は、今年最初の針穴写真を。
1月3日に大好きな富浦にある原岡海岸に夕暮れ時を目指して行ってきました。
ちょっと雲が多めで、キラキラする夕暮れにはならなかったけど、針穴始めとしては良かったんじゃないかな〜と思います。
針穴始めには、やっぱり肝油ドロップ缶で。



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肝油ドロップ缶(兄)/FujiChrome Velvia ISO50/4分ぐらい


すごく拡大すると桟橋の向こうに富士山のシルエットも写ってた。
これを写している時は、このあとすぐに栗原さんが亡くなるとは思ってなかったなぁと気がつきました。
自分のためにも、栗原さんのためにも、今年も針穴写真をたくさん撮るぞ!





# by hariana_no_kokoro | 2016-02-11 21:28 | 晴れの針穴 | Trackback | Comments(0)
栗原さんと出会ったのは、針穴写真を始めて間もない頃。ワタベカメラという写真屋さんで出会いました。
それから、モノクロの現像を教えてもらい、栗原さんの暗室でプリントや引き伸ばしを教えてもらいました。


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年に何回か、遠方への撮影旅行のお誘いがあり、毎回は行けなかったけれど、長野や日光に行きました。私の展示は個展もグループ展も全部見に来てくれました。一番最初の京都の個展には、車で来てくれて、帰りは額や荷物を積んで家まで送ってくれました。


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秋山庄太郎のポートレートを撮り、私が国展でお世話になった瀬尾ひろみ先生とも偶然繋がってました。中学生の頃からずっと写真を撮り、プリントし、多くの人に写真のヒントを教え、いろんな人を撮影に連れて行き、いいと思う場所を教え、夜通し車を運転し、お酒が大好きなのにちょっと飲むと眠ってしまい、バイクのツーリングが好きで、小学生の同級生と山に登り、私の雨女に負けず劣らずの雨男でした。


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私が針穴写真を始めてから今まで、ずっとずっと付かず離れずの距離で、常に私の写真を見てくれていました。展示には、必ず来てくれて、全部見終わった後、静かに「いいじゃない」って言ってくれていました。


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季節の移ろい、光の向き、感じる温度、物の位置、構図、配色、写真を撮る考え方、たくさんの話をしました。撮影に行くとコンタックスのコンパクトカメラでみんなの集合写真を撮り、人数分プリントして配ってくれました。ハッセルブラッドの単焦点で風景写真を撮るのが好きで、ここぞというところでは、4x5でじっくり撮っていました。車はずっとシトロエン。バイクはずっとBMW。現像液は継ぎ足し継ぎ足しして使うのが好きで、毎回新しい液を作る人と飲み会の席で議論になっていました。


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2014年の夏、針穴写真協会の会員展をいつものようにバイクで見に来てくれて、その時に咳をしていたので「どうしたんですか?風邪?」と聞くと「春頃から咳が出るんだよね。なんか炎症起こしてるみたいでさ」「病院は?」「うん、内科と耳鼻咽喉科に診てもらってるよ。そのうち治るよ」「でもあまり続くようなら大きな病院で診て貰えば?」と会話したのを覚えている。



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その年の秋、電話があった。「実はさ、癌みたいなんだ」その年の暮れ、手術をした。最初の病院では声帯も含めて全部とった方がいいと言われ、セカンドオピニオンの病院で、声帯は取らなくて大丈夫と言われた。声帯を残して手術した。2014年末、手術が終わって落ち着いた頃、病院でゆっくり話した。元気だった。退院したらどこに撮影に行くとか、今度プリントしたいのがあるから暗室に入りたいとか、そういう話をした。


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2015年春前、遠方への撮影旅行に誘われた。いつもの夜通し運転しての旅だった。でも私はちょうどタイミング悪く誘われた日程は無理だったので断った。「また、今度ね」「うん、じゃあ、夏前かな」。


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2015年夏、会員展を見に行けないと電話があった。むせて、ものが食べられなくて痩ちゃったから、体力戻すためにちょっとだけ入院するだよって話だった。お見舞いに行った。びっくりするほど痩せてしまっていた。でも、元気で、会員展を見に行けないこと、どんなの出すの?とか、秋のグループ展は行くよとか、冬にまた日光に撮影に行こうとか、そういう話をした。

2週間ぐらいの入院だって言ってたのに。結局、声帯周りに取りきれていなかった癌があり、その手術をすることになった。


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9月。もうこの病院でこれ以上治療できることはないと言われた。余命、4ヶ月。

転院した病院にお見舞いに行った。最近の写真を持って行き、筆談で写真の話をした。プリントしたいのがあるから、早く良くなってと言ったら、「ごめんよ、ごめんよ」と謝られてしまった。痩せて、驚くほど小さくなってしまっていた。

暮れにお見舞いに行った。もう筆談もできなかった。起き上がることも、座ることもできなくなっていた。薄眼を開けて私の顔を見て、私だとわかったかどうか。1時間以上ベッドの脇に座って、栗原さんの横にいた。一度だけ、しっかり目を開いて、手を握った。きっとあの時は、私だとわかってくれただろう。
病室を出る時、なんども振り返った。余命4ヶ月は、12月だった。もう一緒に暗室に入ることも、撮影旅行にも行けないだろう。これが最後かもしれない。そう思ってなんども振り返って病室を後にした。


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明けて2016年。この三連休でまた病院に行こうと思っていた。
今日、栗原さんの告別式だった。たくさんの人が参列していた。バイクのツーリング仲間は、みんなバイクで来ていて、バイクスーツで参列していた。写真の仲間、山登りの同級生、いろんな人が参列していた。

私は後悔でいっぱいです。
最初の手術から1年とちょっとしか過ぎてない。こんなに早く、こんなことになるなんて、思ってなかった。2015年春の撮影旅行に行けばよかった。もっと早く、暗室に入りたいって言えばよかった。
次でいいや、次があるし、また今度ね。そう思っていた。
でも、次も今度もなかった。ないなんて、思ってなかった。
栗原さんに写真を見てもらえない日が来るなんて、考えてもいなかった。
私の最初からずっとずっと見てくれていたのに。来年の会員展をどうしたらいいんですか。栗原さんと引き伸ばししようと思って撮ってきたモノクロのフィルムをどうしたらいいんですか。この先、誰が私の最初からのことを知っててくれるんですか。
一番最初の内科や耳鼻咽喉科を恨むよ。そこで、単なる炎症なんて言わないで、すぐに検査していれば。セカンドオピニオンの病院でも声帯も取りましょうって言ってくれてたら。

この先、どれだけ展示をしても、もう栗原さんに「いいじゃない」って言ってもらえない。いつだって、誰よりも栗原さんに見てもらいたかった。
栗原さんだけが、私が何をしてきたか、何を考えてきたかを知っててくれてたから。栗原さんと出会えなければ、もっと簡単なところで適当に撮って楽しんでただけだったかもしれない。今みたいにはまっていなかったかもしれない。栗原さんがいたから、今の私がいるのです。
でも、今の気持ちは、針穴写真を撮る気にもなれない、だけど、それは栗原さんが一番喜ばないこと。だから必ず撮り続ける。撮るのはやめない。展示もする。足は止めない。この先も、栗原さんの「いいじゃない」って声を思い出しながら。


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今日の針穴写真は、栗原さんと一緒に撮ったときのもの。ほんの一部。
栗原宏文さん、67歳でした。本当に本当に、ありがとうございました。

# by hariana_no_kokoro | 2016-01-09 17:04 | その他 | Trackback | Comments(2)

針穴写真(ピンホール写真)を綴ります


by hariana_no_kokoro