最初の頃って

最初の頃って_c0016712_16424022.jpg


なーんて、ずいぶん長い間やってきたかのようなタイトルですが…
全然まだまだでございます。
今日の針穴写真は、一番最初の頃に撮ったポラロイドのピンホールキットで。
使ったのは669なので青に転ぶやつですね。
露光時間は25秒。

これを撮った時、カメラのグループが通ったんですね。
かなりご年配のグループで、人数が多かった。
女性の方がまず「何をしているんですか?」と。
やり始めたばかりなのでうまく説明できなくて。
それでも説明していると周りに数人集まってきた。
ポラロイドなので、みんながじっと現像が終わるのを待っている。
ヒャーって感じ。
見ないで、見ないで〜だよ。
それでも、ふんわりと画像が出て、独特の青い世界で、
水面の感じの柔らかさなどに、とても興味を持っていただいた。

でもそのうちの1人のおじいちゃんが
「ふん、レンズがないカメラで撮って何がおもしろいってんだ!」と
かなり怒りあらわに言われました。

なんでこの人こんなに怒っているんだろう。
みんなで楽しく撮影会をしているんじゃないんだろうか。

するともう一人の人が
「だからお前はダメなんだよ。
機材じゃなくてよぉ、どんなふうに撮りたいか、
写真ってそういうもんなんだよ。
うまくきれいに撮るんじゃなくて、自分がどういう世界を表現したいかなんだよ。
お前はピンホールをやった事もないのに否定しやがって。
そういう楽しむ心がないんだったらやめちまいな」と。

えー?なんで私のピンホールから、写真やめちまいなまでいってしまうわけ〜?

すると最初に声をかけてきた女性が
「ほほほ、ごめんなさいね。お邪魔して。
あの人たちはいつもあぁなの気にしないでね」と、にこやかに去っていきました。

うーん、写真グループ、人間関係が複雑だ。

きっと怒りあらわだった人は、
まだ始めたばかりか、このグループに入ったばかりなんだろうな。
それで自分が思ったように撮れなくて、ちょっと面白くなかったんだろうな。
うん、そういうことにしておこう。

なーんて、今考えればそう思えますが
その時は、私もムッカッ〜〜〜〜!と来ましたよ。
レンズぶら下げてれば偉いってぇのかよ!って気分。
そんな事言わないけどね。

で、今日の写真に戻ると。
この時は、なんで撮る写真が全部青いのかもよくわからず
見た目の色のきれいさが出なくて、ちょっとイライラしたりしてました。
なんで見た色と違って、みんな青い世界なんだよ〜ってね。
その後、いろいろ調べたらそういう特性なんだってわかったのですが。
その日に「あーこれも青い!」とブーって思っていた時に
この1枚が撮れたのです。
わかりにくいですが、船底の赤い部分がほんの少し出て
そこにものすごく感動したんです。
一日、ぶーぶー思っていたのが、スッと消える感じ。
それでしばらく「赤なら出るんだ」と思い込み、
赤がある風景を探し歩きましたねぇ。
今となっては、この青い青い世界はこれでしかでないので
すごく好きだし、良い世界だなぁって思うけど。

この青が特性なんだと知ってから、いろいろ調べました。
やっぱり露光時間が長くなる分、
そのフィルムが持つ特徴が現れやすいという事とか。
それはHOLGAを手にしてからも続きました。
やっぱり知らないよりは知っていた方が良い知識って感じで。

そうやって好きだなぁって思えたのがAGFAだったのに、だったのに。。。
破産ですよ。
昨日、有楽町のビックカメラにいったら
『AGFAは現在在庫があるのみ。現像処理方法も今秋までの予定です』
って書いてある札が張ってありました。
ブローニのモノクロ1本売りは既に売り切れてました。
か、悲しい。
仕方ないとはいえ、あれだけ特徴があるフィルムがなくなるのは
本当に悲しい事ですね。
選択肢が減るって、つまらない事だなぁ。

さて、そんなわけで、
昨日はビックカメラのプリント技術士さんとか言う人と
長々と話し込んでしまいました。
こちらの状況を説明していろいろ教えてもらいました。

このところ、いろんな人に、ネガに戻したら?と言われていて
ポジとネガの違いをいろんな人に聞き歩いてます。
説明の仕方はそれぞれだけど、どうもネガの方に分があるような感じ。
じゃ、私はなんでポジなんだっけ?と、改めて考えてます。
理由は色々で、ま、それはそのうちの話ってことに。

このポラロイドがどうして青になってしまうのか悩んでいた時を忘れずに。
ちょっとでも前と違う事が発見できた時の嬉しさを忘れずに。
明日から、京都に行ってきます。

というわけで、このブログ、来週まで更新ストップです。
本体のHPの日記は携帯から文章だけUpする予定です。
Tracked from Sound Labo B.. at 2005-06-11 19:06
タイトル : Frammenti
幾許かの言葉より一つの情景が端的に意思表現出来ます。 ヴォーグ誌などで活躍している写真家”トニー・メネグッツィォ”。彼はヴェニスで生まれ、ロンドンに渡り、又、故郷に戻って、ミラノのスタジオで20×25ポラフィルムで撮影をしています。 ファッション系では著名な写真家ですが、「服飾」という具体性より「その場の雰囲気」をポラに閉じ込めて映像化します。 ポラロイドの世界には空間を閉じ込める魔力があります。 デジタルでは本質を語れない世界があります。ポラもその一つだと思います。 Toni ...... more
Commented by xiao_shan at 2005-06-08 18:18 x
こんにちは。ピンホール撮ってると結構声掛けられますよね~。
私は先週あるいてきたかなり年配のおじいさんに「(花)綺麗ですよね~」って言われて少し話がはずみました。なんか関東に来てから知らない人と喋ることってあんまりなかったので、ちょっと嬉しくなってしまいましたね。(実は花を撮ってたんじゃなくってその上の鉄塔を撮ってたんですけどね。)

私もAGFAのモノクロ/ポジ よく使ってたのでほんと残念です。現像も終わってしまうんですね。

京都 お気をつけていってらっしゃいませ。
Commented by ダイバー at 2005-06-08 23:28 x
あれ、AGFAのフィルム部門はこれからも大丈夫っていろんなところで聞きますよ?
破産が発表された次の日くらいにビックカメラに行ったらAGFAがほとんど売り切れで、「あー、やっぱなくなるのかぁ」と思いましたが、最近またビックカメラに行くと普通に積まれてました。
店員に聞いたところ、「フィルムはこれからも入荷しますよ」だそうです。
Commented by ken at 2005-06-11 00:22 x
金曜の午後三時頃、個展にうかがわせていただいた者です。お茶ご馳走様でした(手ぶらで伺ったのにスミマセン(ーー;)。
道に迷ったけど、写真を見れて良かったです!是非HOLGA君を改造して、僕もまたブローニー針穴にチャレンジしてみようと思います。
Commented by ドクター・アンド at 2005-06-13 10:21 x
きしはん様

京都でお逢いできて光栄です。私が開発したピンホールフォトキットがきっかけでピンホールを始めたと聞きうれしくなりました。

上のブログ読んでいて土曜日の田所さんのスピーチを反芻してみました。「空き缶でも」撮れるという針穴写真は小銭を持っているおじいちゃん方にとっては異端というか非常識なんでしょうね。京都造形大の望天館に集まったみんなはそんなことないのに、、、大事なのはあの場にも来ない写真好き=ピンホール食わず嫌いのみなさんをどう針穴に誘い込むか?

手前味噌で恐縮ですが、Zeroならそういう小銭を持っているおじいちゃま方にも気に入っていただけるのでは?と思っています。

我々JPPS会員に課せられた使命は単に自分たちが針穴を楽しんで満足するだけではなく、この輪を少しでも広げる=偏見・先入観を打破することだと改めて感じた次第です。

これからもよろしくお願いします。
Commented by しきはん at 2005-06-13 14:59 x
>xiao_shanさん
そうなんですよね。よく話しかけられますね。でも私の場合“絡まれる”事の方が多いような…気がします(苦笑)いつまでも座り込んでいる私に「早くそこをどけ〜!」みたいな事が多いんです(笑)「あと4分かかるんですけどぉ」など言うと絶句されます。
AGFA情報、錯綜してますね。 どこかが引き継いでくれれば良いのになぁ。
Commented by しきはん at 2005-06-13 15:02 x
>ダイバーさん
AGFAの話。私はビックカメラに行った時にフィルムの冷蔵庫の上に「在庫あるのみ販売」というような内容と「現像処理についても今秋以降は未定」って言う内容を読みました。現像処理については何とかなるとしてもフィルムに関しては「日本の総代理店にある数だけですねぇ」と店員さんとも話しましたよ。
でも、今後も供給されるのであれば、そっちの方が私は嬉しいです。
Commented by しきはん at 2005-06-13 15:09 x
>kenさん
わざわざ足を運んでいただいてありがとうございました。
HOLGA改造したんですね。日記で見ましたよ!楽しみですね〜!
今回の個展で自分の中で自分に対していろいろ不満が出てきたので
気分を変える為にもHOLGA以外のカメラの改造を実は計画中です。
もちろん、HOLGAと私のコンビはばっちりの相性なので続けますけど。
これからもいろんな気持ちを込めながら続けて行きます。
自分なりの針穴ライフを楽しんで下さいね。
お話しできて良かったです。
Commented by しきはん at 2005-06-13 15:14 x
>ドクター・アンドさん
こちらこそ、私の運命の出会いを作ってくれた方にお会いできて直接お話しできて良かったです。ゼロニケさんともお会いできて良かったです。
本当に、あのポラロイドのピンホールキットは私の人生を変えてくれたと思います。あれを手にして最初の一枚は本当に忘れられない瞬間でした。開発して下さって、本当にありがとうございました。
Zeroは工芸品としてもとても美しいと思います。いろいろオプションもあるしぜひ、小銭持ちのご年配の方の要望にも応えられそうな気がしますよね。
個展会場で何人か「これから始めたいと思っている」ような話を聞きました。ぜひ、この人たちが今回のイベントを通して感動するような一枚を手にしてくれる事を願っています。
Commented by ドクター・アンド at 2005-06-13 17:31 x
しきはん様

ごめんなさい。ハンドルネームを間違えてしまいました。
>>私の人生を変えてくれた
なんて、私は大それたことをしてしまったみたいで、、、あとで「あたしの青春を返せ!」なんて言わないでくださいよ。我が人生に悔いは無し!ですよね。アサカメの7月号楽しみにしてます。ポンカメの読者の広場もよろしく!
Commented by しきはん at 2005-06-13 18:48 x
>ドクター・アンドさん
ハンドルネーム、気にしないで下さい。
青春じゃないんで…(苦笑)
アサカメ8月号です〜。7月20日売りでございますよ〜。ぜひぜひ。
日カメラも買うと、両方でかなりの出費なんですよねぇ。カメラ雑誌ってお値段が高いです。でも印刷や紙の関係で仕方ないんでしょうねぇ。
Commented by ヒツジ草 at 2005-06-13 22:40 x
しきはんさん、写真展拝見しました(^^)
WEBで一目惚れした写真を直接見せていただけて、感動でした。
透明フィルムに印刷した写真も、窓の光でポジをかざして見ているみたいで素適でした♪
ありがとうございました(^^)
Commented by しきはん at 2005-06-14 16:33 x
>ヒツジ草さん
来ていただけたんですね〜ありがとうございました。
窓際のは、OHPシートにプリントしたんです。学校の授業で使っていた機械ですよ〜OHP。最近ではこのシートを使って家庭でプリンターで簡単に印刷できるそうです。
by hariana_no_kokoro | 2005-06-08 17:36 | ご近所針穴 | Trackback(1) | Comments(12)

針穴写真(ピンホール写真)を綴ります


by しきはん
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